Little AngelPretty devil 〜ルイヒル年の差パラレル

      “これもある意味シーソーゲーム?”
               
〜別のお話篇 *微妙に進さんBD作品

    

ねえねえ、ヒユ魔くんは口惜しいなぁって思ったことなぁい?
葉柱のお兄さんが、お誕生日来ると先に1つ大きくなっちゃうの。
うん、当たり前っちゃあ当たり前なことだけどもさ。
セナは凄んごく凄んごく口惜しい。
だってさ、クリスマスに やっとセナが九つになって、
進さんと、えと、7つ差になれたと思ってたのに。
もう8つ差に戻っちゃうんだもん。
7つだと、しょーがっこ1個分と よーちえんでしょ?
でも8つってゆったら、えっとえっと。
そうそう、しょうがっことちゅうがっこ足した分でしょ?
あれ? それってそのまんまじゃない?あれ?
うん、だからさぁ、
年の差ってゆのは、どんなに足が速くなっても関係ないしぃ。
だから、七夕が来ると、それを思っちゃって ゆーーつになんの。
進さんには、七夕に雨降ったからだってゆうんだけど、
晴れたときは それも“つーよー”しないでしょ?
そうゆー年は何て言い訳したらいいのかなぁ?




       


 「……なぁんて、おバカなことをさも深刻そうに悩んでたんだがな。」
 「うあ、何でそんな昔のこと、覚えてるかな。蛭魔くんたら。/////」
 「そうまで“昔”ってこともあるまいよ。ほんの4、5年ま…。」
 「あわわ、違うったら、何年も前のことだってば。////////」
 「覚えてた方が悪いような、恨めしそうな顔すんなよな。
  付き合わされた方が災難だったんだっての。」
 「ううう、ごめんなさい。////////」

そんな他愛ない会話を交わす二人の周囲にたゆとうのは、
輪郭のとろけた、ざわざわという雑踏のざわめき。
突き当たりの果てが見えないほど広々したフロアに、
かすかに聞こえる管内放送と、
防音越しに届くは飛行機のエンジン音と来て。
キャリーを引き引き、楽しげに はしゃぎ合いつつ、
これから出掛ける先のこと、
数え上げてる女子のグループがいたり。
出発時間が遅れているのか、
予定を告げる掲示板を見上げては、
携帯電話を頬に当て、少々苛立ってるサラリーマンが。
キャビン・アテンダントのお姉さんのグループが、
きりりと背条伸ばし、颯爽とやって来たのへと、
思わずだろう、視線を奪われている他愛の無さよ。
そんな風景、果てしなく広がる中へ、
何の取材かマイクやカメラを構えた一団が、
到着ロビーへと駆け出して。
そしてそして、

 「…あ。」
 「お。」

懐かしい昔話で時間つぶしをしていた誰か様たちも、
ひょいと視線をそちらへ投げると、

 「いいか? 特別貴賓室だ、そこまで誘導してくんだぞ?」
 「うん。」
 「そしたら、ルイんチの車が待ってる専用玄関から車に乗り込める。」
 「判った。」

本場アメリカのNFLにて活躍中のラインバッカーさんが、
調整のためにと凱旋帰国したのへと、
スポーツ誌の記者らが取材に群がるのもいつものことなら。
貴重な来日時間を少しでも一緒にいたいの、
たっぷり満喫出来るよに。

 「進さん、こっちっ!」

久方ぶりに会う雄々しきお兄さんへ、
視線が合ったと同時、おーいと手を振り、先に駆け出せば。
小さな高校生ランニングバッカーさんを、
きっちりロックオンした清十郎さんが、
記者陣 振り切って追って来るのもいつものことで。

 「あっ、しまったっ。」
 「誰だよ。今回は平日だから安心とか言ってたのっ。」
 「待ってくださいっ、進くんっ!」
 「せめて抱負を一言っ!」

ロビー内での無許可の鬼ごっこ、
記者さんたちをふっ切れば、
すぐに済むから、警備の方々 どうかご容赦。
年の差みたいに縮まらないことはなくっての、
すぐにも追いつかれそうなのが。
こればっかりはちょっぴり嬉しい、
現役高校フットボウラーにして、
高校最速ランニングバッカーさんだったりし。

 「…これを毎年繰り返してんだから、あのチビさんも結構凶悪だよな。」

貴賓室提供の葉柱さんが、呆れたようにそう零し、
今にも手が届きそうになってる鬼ごっこカップルを、
早く来い来いと眺めやる。

 「そか? 健気なもんじゃんよ。」
 「お前が基準になりゃ誰だって健気だよな。」
 「何か言ったか?」
 「………いいえ。」

こちらさんも相変わらずな模様での、
ン年後の彼らは、やっぱり絶好調であるらしいですvv



  〜Fine〜 09.07.09.


  *進さん、お誕生日おめでとうvv
   原作は終わってしまいましたが、まだまだ大好きですよ。
   どうか瀬那くんと、いつまでもお幸せにvvv 

bbs-g.gif**

戻る